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中米コーヒー産地を巡る旅 その1 グアテマラ編 [Coffee]

2012年1月15日から27日まで13日間の日程で、中米3ヵ国を回ってきました。現在私がコーヒー豆の焙煎を勉強している、南千住の山谷地区で40年つづくカフェ・バッハの創業者・田口護先生に率いられた自家焙煎珈琲店開業予定の5人。見るもの聞くものすべてが興味深く、また勉強になる、とても実り多い旅でした。
今回訪問したのはグアテマラ、パナマ、エルサルバドルの3カ国です。
以下は旅の備忘録です。

その1、「グアテマラ編」

1月15日(1日目) 夕刻、成田を出発した我々はアメリカテキサス州ヒューストンまで11時間のフライトの後、6時間ぐらいのインターバルの間に入国・出国の手続きを行い、約3時間でグアテマラシティに到着しました。ホテルに着いたのは現地時間で午後11時近く、飛行機の中でもあまり寝られなかったのでベッドに入ったらぐっすり眠れると思いきや、夜中に目がさえてしまったのは時差の影響だったのか。あるいはいよいよスタートした旅の興奮だったのでしょうか。

グアテマラはメキシコの南に位置する日本の約3分の1程度の大きさの国です。古代マヤ文明の中心であったこの国の歴史ははるか紀元前までさかのぼり、その全貌が解き明かされるのにはまだ相当な年月がかかるだろうと言われています。

1月16日(2日目) グアテマラの9万のコーヒー栽培者を代表する機関であるグアテマラ国立コーヒー協会(アナカフェ:Anacafe)での研修を行いました。グアテマラのコーヒー生産事情や栽培されるコーヒーの特徴などのプレゼン、コーヒー抽出方法などの実演と実習、館内見学などを行いました。

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研修終了後、この日の宿泊予定地であるアンティグア(Antigua)に移動。アナカフェのマイクロバスで約1時間の道のり、この車中ではさすがに爆睡でした。アンティグアは石畳の道がつづく中世の都市を思わせる街で世界文化遺産に登録されています。昔は首都として栄えたものの1773年の大地震で被害を受け、首都が現在のグアテマラシティに移されました。地震で崩壊し未だ修復されていない教会などの建造物も見られました。
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宿泊したホテルは修道院跡を活かして造られたホテルで、風情たっぷりの趣でした。部屋には薪をくべる暖炉があり、飾りでなく実際に火を焚いてみると柔らかな暖かさが旅の疲れを癒してくれました。 
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1月17日(3日目)
 いよいよコーヒー農園見学の開始です。アンティグアには大きな3つの火山があり、このうち「アグア火山(水の火山)」と「フエゴ火山(火の火山)」にはさまれた位置にあるサンミゲル農園を訪問しました。ここでは、病気に強い苗を育てる工夫としてロブスタ種の根にアラビカ種の苗を接ぎ木して育てています。私たちも実際にこの接ぎ木を体験することができましたが、なかなかむずかしい。こうして接ぎ木された苗が並んだところは壮観です。
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収穫されたコーヒーの実の精製場所を見学のあと、コーヒーの実がなっている農園でコーヒーの実の収穫をほんの少しですが体験しました。コーヒー農園を訪れるのが初めての私たちにとってはすべてが初体験ですが、コーヒーの実の摘み取りなどは日本ではまず体験できないこと。コーヒーの産地に来たんだという実感もひとしおです。
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コーヒーの赤い実は齧ってみると甘かったです。でもコーヒーで使われるのは種の部分で果肉ははぎとられてしまうのですが、この農園ではこれを堆肥にして肥料として利用しています。
ランチをいただいた後、農園主も交えて記念写真。富士山を思わせる火山を正面に臨むすばらしいロケーションにあるコーヒー農園ですが、これでゴルフクラブを持っていたらゴルフコンペの記念写真ですね。
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1月18日(4日目)
 朝一番でアグア火山とアンティグアの街並みを一望のもとに見渡せる「十字架の丘」に寄り、この小高い丘からの風景を楽しみました。
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そのあとラ・アソテアのコーヒー博物館と精製所を見学、前日は見られなかった果肉除去の過程も少しだけ見ることができました。
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昼食後、アンティグアを後にして再びグアテマラシティに向かいます。市内に戻る途中、グアテマラで有数の輸出業者であるUNEXの精製工場(ドライミル)の見学と、カッピングを行いました。
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終了後UNEXのオフィスを訪問、日本の商社から出向してこの会社でコーヒービジネスに携わっているSさんのプレゼンを聴き、夜は一緒に日本料理屋で会食。茶碗蒸しや、天ぷらなどがなんだかなつかしく思える夕食でした。

1月19日(5日目) そろそろ疲れが出るころですが、なんとこの朝は4時起き、ホテルで朝食BOXを用意してもらい国内線の空港に向かいました。今日はまる一日ティカル遺跡への観光です。グアテマラ市内から北へ飛行機で1時間さらに車で1時間のところにあるティカル遺跡は「マヤ最大の神殿都市遺跡として知られ、20mにも30mにも茂るジャングルの樹木のさらに上に高くそびえる神殿群は、マヤの偉大さや神秘性をいやがおうにも感じさせる」(「地球の歩き方」より)。この日は現地に住む日本人のガイドさんに案内していただきました。わかりやすい説明のおかげで、マヤ文明の一端に触れることができました。最盛期には人口が数万人にも達したというティカルも、10世紀には急激に衰退してしまったそうです。その理由として諸説あるそうで確定された説はないそうですが、ガイドさん曰く農業飢饉説が有力だろうとのこと。樹海に埋もれてしまった遺跡が偶然発見されるのは17世紀末。いまだに土の中に埋もれた遺跡が多く、全貌は想像してつくられた模型でしか見ることができません。それではティカル遺跡で撮った写真の中から何枚かご覧ください。
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中米コーヒー産地を巡る旅 その1 グアテマラ編 おわり ⇒ To Be Continued


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コメント 4

コメントの受付は締め切りました
茨木童子

中米の長旅お疲れ様でした。マヤ文明古代人の偉大さが改めて感じさせられました、コーヒ農園を見学の時接ぎ木をする様に書いてありましたが、コーヒーの木は1年物ですか、又いがいと丈が低いものですね。
此れからは「陽のあたる道」開店に向かって、頑張って下さい。
by 茨木童子 (2012-02-07 09:10) 

WAN

>茨木童子さん

帰国してからはお店の工事も本格化し合い間にようやくグアテマラ編をアップしました。引き続きパナマ編、エルサルバドル編もお楽しみに。
コーヒーの木は種子を播いてから5ヵ月~1年後に苗木が農園に定植され、2~3年で白い花が咲きます。開花後緑色の実がなり、6~8ヵ月後には実が赤く熟し収穫となります。今回の訪れた農園には20年経過している木もありました。
また手積みできるように丈はそんなに高くないです。



by WAN (2012-02-08 01:16) 

☆どんべえ☆

カンボジアのアンコールワットとインドネシアのボロブドゥールはレリーフが似てるとか共通点があったけど、これは独特だね。
めったに行けない所へ行けて幸せ者だよ~
by ☆どんべえ☆ (2012-02-08 18:54) 

茨木童子

今までコーヒーはただ飲むだけで、生産が、どのように、行われているか
まったく興味もなく、今回を機会に少し勉強することが出来ました。
有難う御座いました。
by 茨木童子 (2012-02-09 09:43) 

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