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10年ぶりの山小屋 [Diary]

90年代はまとまった休みのたびに、八ヶ岳の東に位置する信州・八千穂村(今回訪れたら町村合併で「佐久穂町」に変わっていた)に通っていた。当時、無農薬野菜をつくる生産者と、それを定期的に購入する消費者のグループで、みんなで集まれる場所を作ろうということになり、生産者の所有する山林の一部を借りて、山小屋作りを開始したのは92年ごろの話。樹木を伐採し皮をはいで土台の柱にし、100年も建っていた旧農家の建替えで出た廃材や建具を再利用、屋根は防水シートの上に土を盛り草を生やして草屋根に、トイレもコンポストトイレにするなど、エコロジカルな山小屋を設計し、つくりはじめたのである。
僕はどんべえに尻をたたかれながらワークキャンプに参加するようになっていったのであるが、素人同然の人たちが試行錯誤しながらも、力をあわせて作業に励み、その結果建物がだんだんできあがっていく過程は楽しいものであった。
上棟式は94年の8月、一応の完成をみたのが1999年の8月であった。山小屋の天井の梁に渡してある板に、年月とともに自分の名前がしっかり記されているのを今回確認して当時の記憶も蘇ってきた。しかし、2000年10月以降は、仕事の都合で山小屋どころではなくなってしまい、気にはなっていたものの一度も行くことはなかったのである。

10年も行ってなかったので、もう朽ち果てているんじゃないか、なんて心のどこかに不安も抱きながら、中央自動車道を須玉で下り、141号線を一路北へ。清里を抜け野辺山を通り小海線を左右にしながら途中で299号線に折れて5分ぐらい、車を降りて歩きなれた坂道を登っていった先にあった!堂々と建っていた。

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入り口には鍵がかかっていて、外から眺めるだけでもいいかと思っていたら、10年前一緒に作業をしていたSさんが車で坂道を登ってきた。10年ぶりの再会である。彼は登山のため一昨夜、昨夜とここに泊まっていたとのこと。鍵を開けてもらい中に入りしばし歓談。この10年の間にも、山小屋は少しずつ進化を遂げているらしい。ストーブも設置されたし、洗面台も付いていた(水は近くでもらってこなければならないけど)。今は故障中というが、ソーラー電力で電灯も点けることができるのだそうだ。10年前作業を手伝っていた仲間の子供たちも成人して時々泊まりにくるようになっていることなど、話は尽きなかったが、次の目的地に向かうSさんと再会を約して別れた。

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 入口



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 草屋根


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 薪ストーブ


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山小屋オープン記念のプレート 



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90年代ここに通っていた頃は、ギターは手にしていなかった期間なので、車に積んで持ってくることもなかった。今回初めてギターを積んできたのだった。

♪わたしがうたう うたではない
  あなたがうたう うたでもない
 わが山々が私のうた
  わが大地が私のうた♪


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コメント 9

コメントの受付は締め切りました
~ゆらゆら~

こんなもの素人でつくったなんてすごいね!
あまり寝心地はよさそうではないけど(贅沢…)山小屋としては上の上か
町村合併は哀しいけれど、産地と食べる人の出会いに幸あれ!

灯りの太陽電池は故障しにくいだろうから、充電池か電圧調整回路かしらん?
でもこの雰囲気ならランタンだね。

9988クックパパ開業の山小屋、機会あったら招待してね♪
体が動くように気をつけないと・・・(^^♪
by ~ゆらゆら~ (2009-09-23 10:43) 

まさみ

みんなで建てた山小屋なんて夢の様なことをしていたんだね。
お二人の人生、とってもステキ♪
今度色々なエピソードを訊かせて下さいネ。
もちろんお二人の歌も聴きたいです。
by まさみ (2009-09-23 10:46) 

トドコフ

素敵な山小屋、いいですね^^
実は、ご存知村上水軍の頃、知人から岐阜県白川町の山奥のオンボロ山小屋を借り受け、毎年夏にそこで合宿をしていました。
小屋の前の雑草だらけの山すそを刈り取り、そこに丸太で作った椅子を置き、小屋の雨戸を全開にし、廊下をステージに、村の子供たちや爺さんばあさんたちを相手にコンサートをしてました。
確か岐阜の青山さん達も参加していただき、朝まで唄って飲んでいました。
楽しかったな~^^
そんな思い出が、WANさんたちの山小屋を見ていると蘇って来ます。
あの頃に戻りたいね^^
by トドコフ (2009-09-23 19:35) 

WAN

>ゆらゆらさん

体のほうは大丈夫ですか?
ぜひ一緒に行きましょう!電気系統も見てもらわなければ。

>まさみさん

これに熱中しているころは、音楽から遠ざかっていたんですよね。その後の出会いで再び唄をうたいはじめ、今回唄を持って還ってきたという感じです。どちらもそれだけの時間が必要だったんでしょうね。

>トドコフさん

さすが岐阜!自然の中でうたって飲んで遊んでたんですね。そんな中からいい唄がたくさん生まれてきたんですね。あの頃に戻って遊びましょう。
by WAN (2009-09-23 21:48) 

コバタロー

自分の山小屋があるなんて、夢のようです。♪家を作るなら太陽を盗んできてオーブンとランプにしてしまおう。・・・家を作るならを地でいったんですね。
by コバタロー (2009-09-24 21:13) 

WAN

>コバタローさん

みんなの山小屋です。家というよりも小屋ですが。
でも、こうして10年も建っていることを思うと確かによく造ったなという感じですね。

by WAN (2009-09-25 00:59) 

ちび六

山小屋、素敵ですね。
30年の年月を越え、今、また繋がりあう。
いかに、思い出・時をともに過ごした事の大切さを再確認。
どんべえ・わんと、今、はじめてしっかり繋がった感じで
嬉しいです。あおやまさん、会ってみたい。青山さんのおばあちゃん、朝日に向かって、手を合わせておられた姿は心の中に、今もしっかり焼き付いています。山小屋で、みんなで歌いたいです。ナターシャもまた、今
みんなで歌えたら。そして百年村で歌えたこと、幸せでしたね。
仕事しながら、今再出発。生きていくことのありがたさ、かみしめています。
加藤和彦さん、どんなにおつらかったのでしょう。右近が言ってました。有名になることよりも、歌い続けること、その事が大切だって。共感です。お体に気をつけて下さいね。会社でもきっと、わんは、みなさんに優しさや、人の温かさをおあたえになっていることとお察し致します。どんべえという最高の奥様の支えのなかで、ますます御活躍なされますように。ちび六。
by ちび六 (2009-10-19 07:14) 

WAN

ちび六、ありがとう!
右近と百年邑のおかげですね。
>生きていくことのありがたさ
まさにそのとおりです。
いつまでもうたいつづけましょう!

♪うたえ うたえ うたえ
人間のやさしさを うたえ うたえ
明日に向かって力強く
広く 高く 大きく
by WAN (2009-10-20 00:20) 

ecoco

スウェーデンの生ゴミ処理機「ヨーラコンポスト」でエコに堆肥作りをお試しください。
http://www.united-eco.co.jp
by ecoco (2011-07-03 23:02) 

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