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「おとうと」 [CINEMA]

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山田洋次監督「母べえ」に続く新作「おとうと」は、「学校Ⅳ」以来10年ぶりの現代劇だそうである。
ふだんは若いカップルや小さな子供を連れた家族が多い、ららぽーと横浜にあるシネコンには、年配の方が多く(自分たちもその一人?)、テレビでさんざん宣伝しているからとはいえ、さすが山田洋次監督、と思わずにいられない。

「家族の絆」がこの作品の、というよりも山田洋次の作品すべてに共通するテーマであり、笑いをふんだんにちりばめながら、人間の優しさを謳いあげる作風は相変わらずである。すべての登場人物が愛おしい。
予告編などでは、笑福亭鶴瓶が演じる破天荒な弟が結婚式を台無しする場面から、「寅さん」シリーズを連想し、渥美清が鶴瓶に、倍賞千恵子が吉永小百合に置き換わって、今後シリーズ化される話なのかな、と思いながら観ていたら、後半は意外な展開になっていった。
姉にさんざん迷惑をかけ、見放されて消息不明になってしまった弟が、行き倒れてかつぎこまれた先が、映画では「みどりのいえ」という身寄りのない人を受け入れる民間の「ホスピス」であった。この「ホスピス」は東京・山谷に実在する「きぼうのいえ」をモデルに描かれているのだそうだ。赤字に苦しみながらもボランティアに支えられて運営されているこんな施設があることをはじめて知った。
ここで最期を迎えざるを得ない、社会に取り残された人々と、献身的に働くスタッフの姿が、映画を観終わったあとの気持ちに重いものを残す。

2010年2月7日
TOHOシネマズららぽーと横浜

 

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