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「クレイジー・ハート」 [CINEMA]


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 第82回アカデミー賞で主演男優賞(ジェフ・ブリッジス)と主題歌賞("The Weary Kind" 作曲:ライアン・ビンガム、作詞:T=ボーン・バーネット)を獲得した作品。撮影期間がたった24日間、低予算で撮られた映画らしいが、なかなかどうして、広大なアメリカの大地の映像と、全編を彩る心地よいカントリー・ミュージックに心が解放されるような感覚を味わった。
 
 かつて名声を博したが今は落ちぶれ、酒に溺れるジェフ・ブリッジス演ずるカントリー・シンガー(バッド・ブレイク)が、巡業先でインタビューをした女性記者ジーン(マギー・ギレンホール)と恋に落ち、その恋に破れながらも、人間として、ミュージシャンとして再生していくというお話。
 
 この映画は誰かの伝記ではなくフィクションであるが、まるで実在するシンガーの実話のようにも見える。旅から旅への興行、酒とタバコに溺れる毎日、破たんを繰り返してきた家庭生活、ヒット曲を作れない苦悩、・・・etc.ミュージシャンにいかにもありそうなエピソードが織り込まれている。日本でいうなら、故・高田渡を思い浮かべてニヤリとするシーンもある。こんな虚構の物語を本当っぽく見せているのは、ひとえにジェフ・ブリッジスの、演技と思わせないほどの演技なんだろうと思う。ミュージシャンの道も選択肢にあったという彼の音楽的センスも大いに発揮されていて、ライブやコンサートのシーンがもっと観たかったというのが本音である。

 ストーリーはありきたりといえばありきたりで、深みに欠けるといえばそうかもしれないが、音楽好きの人なら結構ハマってしまう映画かもしれない。

2010年7月6日
TOHOシネマズ川崎
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