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ボランティアバス_岩手22便 (Aug.08-12,2011) [Diary]

 8月12日の早朝に横浜に帰ってきて、翌日に妻の実家の岐阜に帰省していたので遅くなってしまいましたが、先週のボランティアバスの記録を残しておこうと思います。

 神奈川災害ボランティネットワーク(KSVN)の運行するボランティアバスに乗って行く被災地支援活動はこれで4回目。8月8日の夜に出発して12日の朝5時に横浜に帰ってくるというスケジュール、車中2泊現地2泊の旅でした。

 運営スタッフ含めて37名は、8月8日の午後9時に横浜天理ビル前を出発。車内では順番にマイクを回して自己紹介をします。夏休み期間中ということもあり、大学生と学校の先生が多く参加されていました。何度もボランティアに参加している人もいる半面、半数の方は初めての参加とのこと。震災から5カ月、被災地のために何かしたいと思いながらもなかなか休みがとれず、ようやく夏休みの期間を利用して参加できた、との思いも伝わってきます。中には名古屋在住で、東京出張の日程に合わせてKSVNのボラバスに応募して参加された方もいらっしゃいました。

 バスは、東北自動車道の本宮―二本松間の事故による通行止めで、一般道に降りて回り道をした影響で時間をロス。予定より1時間遅れくらいで岩手県遠野市にある「かながわ金太郎ハウス」に到着しました。

金太郎ハウス1.jpg
 「かながわ金太郎ハウス」というのは、被災地支援のボランティア活動の拠点として神奈川県が遠野市に設置した施設で、7月下旬にオープンしました。私の前回参加した岩手4便では山田町のボランティアセンターで寝袋での宿泊でしたが、金太郎ハウスの宿泊部屋には布団も用意されており、エアコンも付いています。また施設内で温水シャワーも利用でき、滞在期間中は快適に過ごすことができました。上の写真の建物2階部分が宿泊部屋、一部の電気は太陽光発電によりまかなわれているそうです。
 
 現地に着いた22便のメンバーはすぐに着替えて、マイクロバスで現地のボランティアセンターである「遠野まごころネット」に向かいました。遠野は津波で甚大な被害を被った海岸地域から1時間ぐらいの距離にあり、ここを拠点にしてボランティアを各被災地に派遣しています。ここには全国各地からたくさんのボランティア団体や個人が集結し、毎朝ラジオ体操と朝礼が行われ、作業に向かう人たちに、その日の作業内容や注意事項などの説明が行われます。かながわ22便チームの初日の被災地支援活動は、前便21便の方々が行った作業のつづきで、陸前高田市気仙町上長部地区の林や原っぱの中の瓦礫撤去になりました。
  陸前高田市は、6月初旬の「弾丸ツアー」で訪れて以来2度目の訪問になりますが、バスが山あいを抜けて被害を受けた地域が目に飛び込んでくるとやはり言葉を失います。初めての人はなおさらだと思います。
005.JPG
 上の写真は、景勝地だった高田松原の約7万本の松林の中で唯一生き残り「奇跡の一本松」と呼ばれて復興のシンボルとなっている松。
 (ちょうどこの時期、倒れた高田松原の松を京都の五山の送り火で焚くことについて大きなニュースになっていました。現地の人はどんな気持ちだったんだろうと思わずにいられません)
 
 初日のボランティア活動は、夜行バスに揺られてきてほとんど寝ていない状態で作業に入るので、結構きついものがありますが、この日は作業時間も短く、午前中は林の中、日陰での作業だったこともあり、終わってみたらむしろもの足りなさを感じるくらいでした。
 
 ところが翌日(8月10日)の大槌町にある江岸寺(こうがんじ)の大きな墓地での作業は堪えました。津波に流され火災にも見舞われたお墓、お盆を前に少しでもきれいにということで、大勢のボランティアが動員されていました。墓地の1区画ごとにたまった瓦礫や泥を掻き出す作業は、スコップで一気に掘り起こすとお骨まで出てきてしまうということで、慎重さも求められます。 何といってもこの日の最高気温34度という炎天下、休憩と水分補給をこまめに取りながら、何とか倒れずに作業を終えることができたという状態でした。
 この作業は12日まで連続8日間続いたそうです。遠野まごころネットのHPにその模様が載っていました。
・清掃作業の紹介 http://tonomagokoro.net/?p=3504 
・作業終了の記事 http://tonomagokoro.net/?p=3743
                                               
 ボランティア3日目。早朝にボランティアバス岩手23便が到着、さっそく身支度を整えて「遠野まごころネット」に移動していきました。われわれ22便チームは、午後6時に現地を出発するまで、個人として被災地支援のボランティアに加わるか、「金太郎ハウス」の清掃&遠野市内見学に出かけるか、どちらを選択するかは参加者の判断に任されました。結果22名がボランティアに、私を含む15名が後者を選択しました。
 宿泊施設の清掃やフトン干しなどは15名もいれば手際よく進み、早い時間には遠野市内見学をスタートすることができました。出かける時は雨模様でしたが、次第に天気も晴れ、自転車で郊外まで足を延ばすこともでき、美しい遠野の風景を心に刻むのには十分な時間を持つことができました。

以下、今回回った主な場所です。

遠野駅.jpg遠野駅前通.jpg
遠野駅(左)と駅前通り(右)

 

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「遠野物語」を著した柳田國男が滞在した高善旅館を移築保存した「柳翁宿」

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語り部がこの地方に伝わる民話を聞かせてくれます

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遠野城下町資料館                                               
             
カッパ淵.jpgかっぱ淵きゅうり.jpg
市内から自転車で20分ぐらいのところにある「カッパ淵」(右はきゅうりでカッパをおびきよせているところ)

 
 上記のほか遠野市立博物館も見学、「遠野物語」の世界や、遠野の自然と暮しについて、展示や映像(水木しげるの河童のアニメもあり)でとても興味深く学ぶことができました。
 夕方5時前には被災地支援活動を行ってきた皆さんも帰ってきて、帰りのバスの出発時刻が近づくころ、金太郎ハウスの前で22便チーム全員で記念撮影。
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 午後6時に金太郎ハウスを出発、東和IC手前の道の駅とうわで温泉にゆっくりつかり、前沢SAで最後の夕食。東北道上りは順調に進み、12日午前4時15分ごろには横浜に到着しました。 
                                                           
 それぞれ年齢、性別、職業は異なるも、同じ志を持つ者でできた集団のすばらしさをあらためて感じるとともに、その中で心地よい時間を共有できたことは、2011年暑い夏の1頁としていつまでも記憶に残りつづけるでしょう。そして、まだまだ続く復興への長い道のり、被災地への思いを常に持ち続けながら、微力ながらも自分の力を捧げていきたい、そんな決意を新たにしたボランティアバスの旅でした。

 

 


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コメント 2

コメントの受付は締め切りました
こーちゃん木村

お疲れ様でございました。
WANさん達の頑張りに頭が下がります。
by こーちゃん木村 (2011-08-18 21:07) 

WAN

>こーちゃん木村さん

ありがとうございます。
自分にできることを、できる範囲で続けていきたいと思っています。
by WAN (2011-08-18 22:13) 

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