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「ハーモニー~心をつなぐ歌」 [CINEMA]

ハーモニー.jpg


*ネタバレあり
 
 映画は、韓国の女子刑務所に服役する女囚が、赤ちゃんを出産するシーンから始まる。韓国では生後18ヵ月間だけ、刑務所の中で母子が一緒に暮らすことが許されているという。映画では、一部屋に5人も収監されている雑居房での赤ちゃんを交えた生活が、明るく楽しげに描かれる(実際には養育房というのがあるのだそうですが)。本来なら厳格に管理する立場の女性看守も、彼女らと友達のように交じわっている。「塀の中」の生活がこれほどおおらかだなんて想像を超えていたが、一人ひとりの女囚には、償うことのできない罪を犯しているという事実があり、またそれぞれが心に深い傷を負っている。
 慰問に来た合唱団の歌声に感激して、刑務所内で合唱団を結成することを言い出すのは、子供と暮らすジョンヘ(キム・ユンジン)。音大教授だった死刑囚ムノク(ナ・ムニ)に懇願して指揮者になってもらい、寄せ集め集団でスタートした合唱団は特訓を重ねた結果、刑務所内での発表会を大成功に導くが、それはジョンヘと子供との別れの時でもあった。
 時は過ぎ、その実力を認められるまでに成長した合唱団は、クリスマスイブに行われる合唱コンクールに特別招待されて・・・・
 映画のクライマックスにさしかかるこのあたりからは、涙の”連続攻撃”にさらされ、なすすべないまま迎えるエンディングにとどめを刺された。
 劇中で歌われる「ダニー・ボーイ」、「この世界を生きてみれば」、「ソルヴェイグの歌」など、どれもが美しく心に沁みる。過酷な状況に置かれたものたちが、音楽によって心が開かれ心がつながる、おとぎ話のようなストーリーかもしれないが、「歌の力」に心を揺さぶられない人はいないだろう。
 最後に、この映画は「死刑制度」についての問いかけも発していることを加えておきたい。
 

2011年2月15日
横浜ブルク13


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