SSブログ

ボランティアバス_山田4便 (Jun.30-Jul.03,2011) [Diary]

 過去2回は夜行日帰りの「弾丸ツアー」に参加したボランティア。神奈川災害ボランティアネットワーク主催としては初めての泊まりがけのボラバスで岩手県山田町に行ってきました。

026_2.jpg

 
 山田町(やまだまち)は、宮古市と釜石市の間にある町で、人口1万8千人、7月5日現在、死者585人、安否不明128人、25箇所の避難所に1929人が避難中。住宅のうち46%にあたる2789棟が全壊。
 山田町災害ボランティアセンターの置かれているB&G海洋センターは船越家族旅行村のそばにあり、われわれが宿泊場所としていた体育館から少し上がったところにあるオートキャンプ場には個人のボランティアが長期に滞在し、毎日の作業に加わっています。作業終了後の温水シャワーもこのキャンプ場で利用させていただきました。今回の地震津波さえなければ、まさに風光明媚なリゾート地として何日でも滞在したくなるような美しい所です。しかし、ボランティアセンターのすぐ下にあった老人保健施設「シーサイドかろ」では施設全体が津波にのみ込まれ、利用者74人と職員14人が死亡・行方不明となったそうです。いまだに建物の2階部分に流された車が残されたままの無残な姿に胸が痛みます。
岩手日報のWebNews⇒http://www.iwate-np.co.jp/311shinsai/saiko/saiko110608.html

163.JPG
150.JPG
老人保健施設シーサイドかろの遠景。右上に屋根だけ見えるのがボランティアセンター。
 ボランティアの作業は正味2日間、杉林の中のガレキ撤去を行いました。内海と外海にはさまれる半島の付け根にあたる地域ですが、津波にのみ込まれた家屋が両側から流されて溜まったのだそうです。重機で撤去できなかった細かいガラスや陶器の破片や生活物資などが散乱していました。また遺体捜索のために自衛隊の掘った穴の痕跡がいたるところに残っていました。暑さとの闘いになることを覚悟していましたが、2日間ともオホーツク海気団から吹くやませ(山背)という冷気のおかげで、午前・午後2時間ずつの作業も、それほど体力を消耗せずに行うことができたのはラッキーでした。
011_2.jpg
作業中

064_2.jpg

作業終了後の杉林

 
 杉林の地主さんからは2日間とも缶コーヒーの差し入れがあり、終了後にはお礼のあいさつをいただきました。さらに自分は口下手だからと丁重な文章での御礼状まで託されました。夜のミーティングでリーダーに朗読していただきましたが、これこそが最高の報酬です。
 ボランティア参加前に受ける研修の中に、ボランティアの心構えとして、見返りを求めない・・「無償性・無給性」・・という原則がありますが、これだけの大きな感動とよろこびを得られる体験はしたくてもなかなかできないと思います。そして被災地への「思い」と「志」をもった参加者ひとりひとりが、主体的に行動し、創造性を発揮しながら連帯を深めていく過程も大きな魅力のひとつです。20歳の学生から最高齢68歳までの自発的に集まった男女36名が、ひとつのチームとして機能する、そこには「長幼の序」などを口走る輩はひとりもおらず、ただひたすらに被災地のことを思う心だけがあるのです。

 神奈川災害ボランティアネットワークの「宮城・岩手 被災地支援ボランティアバス」参加者募集についてはこちらをご覧ください。
 http://ksvn.jp/category/news/volunteer_comeon


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

コメントの受付は締め切りました
あんず

WANさん

被災地へのボランティア活動を継続されていらしたのですね。
山田町の写真を見ると、本当に緑あふれる風光明美な街です。

東京にいると日々の暮らしに追われ、災害の記憶は少しづつ薄れているようにも感じていましたが、被災地の皆さんは、あの日のまま時が止まった状態で毎日を過ごされているのですね。。。胸が痛み、つまらない事に悩んでいる自分が恥ずかしく思えました。

がれきの片付いた森林は、見違えるように穏やかな森になっていましたね。お疲れさまでした。
by あんず (2011-07-07 23:22) 

WAN

>あんずさん

被災地の復興は少しずつでも進んでいるのだと思いますが、まだまだ長い時間とたくさんの人の支援が必要だということを、現地に行ってみると実感します。
最初のころはすぐに定員に達したボランティアバスの応募も、最近は残席が埋まらない状況になっているようです。
小さな力にしかなりませんが、今の自分にできることの一つとして、このボラバスでの被災地支援を続けていければと思っています。
by WAN (2011-07-08 00:33) 

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。