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「がんばっぺ フラガール! -フクシマに生きる。彼女たちのいま-」 [CINEMA]

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 2006年に蒼井優、松雪泰子の映画「フラガール」を観て(http://inuwan.blog.so-net.ne.jp/2006-10-02)、2008年にはスパリゾートハワイアンズに行き本物のフラガールのショーを見てきた(http://inuwan.blog.so-net.ne.jp/2008-12-18)。だから、3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けたスパリゾートハワイアンズとそこで働くスタッフやフラガールたちの再生に向かう物語はぜひ見ておきたいと思っていた。

 45年前、炭鉱の閉山で地域が壊滅する危機を、この地に常夏のハワイというリゾート施設をつくるという突飛なアイディアで跳ね返し成功をおさめてきた経緯は前作『フラガール』に詳しく描かれ、多くの人が知っている。日本のエネルギー政策に翻弄されながらも大転換を果たした結果生まれた「楽園」が、今回、地震、津波による被害に加えて、原発事故とその風評被害によりさらに大きな危機に直面している。

 映画は、地震の被害で営業できなくなった本拠地を出て「全国きずなキャラバン」を開始したフラガールを追うとともに、実家が福島第一原発から2キロの距離にあり家族が避難生活を余儀なくされているダンシングチームのサブリーダー大森梨江さんに密着、ステージに立てば笑顔で元気に踊る彼女のプライベートにも迫る。一方、震災当日館内で被災した630名が一人の怪我人もなく無事だったこと、ホテルが震災後半年にわたり広野町の被災者のための避難所として機能していたことも描かれている。自らが被災者でありながら笑顔で全国を回るフラガールたち、火のついた棒を回すため出番がないファイヤーナイフダンサーたち、営業再開のために現場で奮闘するスタッフたち・・・、さまざまな思いや感情が交錯する過程を、過剰な演出を排し淡々としたタッチで、10月1日の部分再開までを描く。クライマックスはもちろん、営業再開されたスパリゾートハワイアンズステージでのフラガールのショー、本当は立ち上がって拍手喝采を送りたかった。でもこれがGOALでないことも誰もが知っている。彼女たちはほんの小さな一歩を踏み出したに過ぎないことを。

 震災から8ヵ月になろうとする今、被災地から離れた場所での関心が薄れてきているという。横浜ではムービル1館でしか上映されていないこのドキュメンタリー映画も、上映4日目にもかかわらず、平日の昼間とはいえ500人以上収容できる劇場に20人にも満たない人数での鑑賞は少しさびしい気がした。

2011年11月1日
横浜ムービル


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